【男性育休体験記】双子育児の壮絶な日々を過ごす、オトダンさん(3ヶ月取得)

男性の育休体験記

男性育休は人それぞれです。家庭環境や職場環境等に応じて育休のあり方は異なってきます。

そんな多様な男性育休について、男性育休取得者の体験記を通じてお伝えしてしていきます。

今回の男性育休体験記は双子育児に励む「オトダンさん」です。

プロフィール

・氏名 オトダン 

・育児休暇を取得期間 2020年9月1日〜11月30日
※丸々3か月間を会社から育児休暇取得しました。
・居住地 関西地区
・勤めている会社 会社員(1001人以上)
・育休取得時の家族構成 パパ30歳、ママ29歳、双子(長男、次男)0歳
・オトダンさんのSNS
ブログ:https://irodorulife.com
Twitter:https://mobile.twitter.com/Otodan_

育休を取得した理由

僕が育児休暇を取得した主な理由は以下の3つです。

理由①:初めての出産で双子の男の子が誕生

出産前から双子の育児は大変だという話を聞いて覚悟していましたが、実際に双子が誕生してみると双子の育児は想像した以上に大変でした。妻と二人三脚でなんとかこなしています。育児休暇を取得していなかったらと思うと恐ろしいくらいです。

理由②:実家を離れて妻と二人三脚で育児

地方から出て妻と双子の4人で暮らしている我が家では、近所に頼れる身内もいない状態だったので今回の育児休暇は本当に救いでした。そのため、我々のような周囲に頼れる身内がいない場合は男性の育児休暇はすごく大切です。まして双子の育児ともなると、妻だけでワンオペするのはものすごくハードルが高いと感じます。

理由③:会社が男性の育児休暇に協力的だった

育児休暇を申請時、私は30歳でした。そのため、ある程度の職責を任せられていたし、「さあ、これから油がのってバリバリ仕事を熟さないと!」という時期でした。普通の会社であれば、バリバリ働くことを期待するのかもしれませんが、幸いなことに勤めている会社は創業当時から男性の育児休暇に対して協力的でした。そのため、会社としても周囲の同僚も僕の育児休暇取得を後押してくれました。

仕事と育児の優先順位

勤めている会社が育児休暇に協力的だったとはいえ、休暇している間の業務が滞るのではないかという不安は少なからずあり、育児休暇を3ヶ月間も取得してもいいのか迷いがありました。しかし、今となっては育児休暇を取得したことが大正解だったと感じています。

というのも

「我が子の成長を毎日携われるのはこの人生であと何回チャンスがあるのだろう」

「もしかしたら、この育児休暇をパスしてしまうと、これから先、育児休暇の取得は一生出来ないかも知れない」

そう考えられるようになった時に、仕事と育児のどちらを優先すべきか自分の中で答えがハッキリしたためです。仕事よりも今しかできない育児の方が優先したことは間違っていませんでした。

育休取得プロセス

家族とのやりとり

妻との相談

妻に育休の提案をしたのは僕でした。というのも、勤めている会社が男性の育児休暇に協力的だったからです。そのため、僕自身も男性が育児休暇を取ることに何の違和感もなく、育児休暇の提案を妻に話すことができました。そして、僕が育児休暇を3か月取得することに関して妻の反応も前向きで、快く賛成してくれました。

育児休暇は有給扱い

もちろん、妻も育児休暇には賛成してくれてはいたものの、育児休暇中は出産後の一時的な出費も嵩んだりと金銭面については心配していました。ただ、幸いなことに勤めている会社は独自の育児休暇制度を設けており、3ヶ月間の育休は育児休業ではなく有給休暇として取得することができます。そのため、育児休暇中も給与は毎月変わらず全額支給して頂けたので、お金の心配をすることなく安心して育児に集中できました。

恵まれた環境

育休を当たり前のように取得しようと考えましたし、金銭面の心配もなく安心して育休を取得できましたが、まだ日本の社会に男性の育休があまり浸透しておらず、また、育児休業給付金も支給率が67%のという現状を考えると、今思えば恵まれた会社にいたんだなと気づきました。

会社とのやりとり

相談のタイミング

僕の場合は安定期を少し過ぎた頃に育児休暇の申請を上司へ相談しました。というのは、妻は双子を妊娠していたので通常の妊娠よりリスクも高く、体調も不安定な時があったからです。タイミングとしてはもう少し早く相談してもよかったかも知れません。

育児休暇期間の話し合い〜期間については折衷案で調整〜

僕の育児休暇の申請に対して上司は快く承認して頂けました。とはいえ、育児休暇自体こそ快く承認してくれましたが、具体的な内容については調整が必要です。話し合いの中で一番の問題となった点は「いつ頃から育児休暇を取得するか」でした。

こちらの要望

育児休暇の取得時期については妻と相談して、「出産直後の1ヶ月半の期間、その後しばらくの間をあけて、妻の仕事復帰前の1ヶ月半の期間」を希望しました。つまり、3ヶ月の育児休暇を2回に分けて使用するという案です。

なぜ、そのような要望をしたかと言うと、まず出産直後は、初めての出産で、しかも双子ということもあり妻の体力が回復できていない時期でもあるため人手が最も必要と考えたからです。そして、もう半分は妻が仕事復帰する前の1ヶ月半として、妻が仕事復帰に向けて生活リズムを徐々に戻すために必要だと考えたからです。

上司の反応

しかし、上司に相談してみると会社の都合もあり僕たちの要望は却下されました。そして、会社のスケジュールで余裕がありそうな時期に3ヶ月まとめて育児休暇を消化する形にはなってしまいました。なかなか思うようにはいかないものですね。

但し、僕は安定期に入ってから上司に相談しましたが、もう少し早くから相談を始めていれば、ある程度希望に沿ったかたち育休期間を決めることができたのではないかと感じました。

育休中の生活

家事や育児について

育児は仕事よりもハードワーク

育児休暇中は言わずもがな、双子が寝てるい以外は育児が優先です。ハッキリ言って『育児休暇に休暇はない』です。「取るだけ育休」という言葉に代表されるように、たまに育児休暇を休暇と同じような感覚で捉えている人がいますが、育児休暇中の育児はの中身は仕事より遥かにハードワークなので勘違いしないように気をつけてください。まして、我が家は双子育児なので尚更です。

毎日のスケジュール

今現在僕がどんな流れで育児をしているのかをザックリ書いてみました。

午前
7時30分 双子起床
8時30分 離乳食(1回目)
9時15分 双子の着替え
9時30分 ミルクタイム
10時 洗濯、掃除
10時以降 フリータイム お散歩or双子は就寝
午後
12時 昼食
13時 ミルクタイム
14時 買い物or散歩or双子は就寝
15時 離乳食(2回目)
17時頃 お風呂
19時 ミルクタイム
20時 就寝(双子)
20時以降 フリータイム 夜ご飯等
深夜 
0時 ミルクタイム
3時 ミルクタイム
6時 ミルクタイム
7時 起床

大体いつもこんな感じのルーティンで一日が終わっていきます。

分単位で家事や育児をこなしながら、追加で出生に伴う申請等で市役所に行ったり、予防接種で外出をする用事が発生するとなれば妻と協力しても準備や時間に追われて大変です。3ヶ月間の育児休暇が終わり、妻1人でワンオペになると正直どうなるか想像がつかないです。共働きで育児している家庭の話しを聞くけど、もう尊敬しかないです。

このように、育児、特に双子の育児は仕事よりハードワークということをこの育児休暇で思い知らされました。

育児はイレギュラーの連続

育休中の生活で僕が学んだことの一つに『決して完璧を求めちゃいけない。』というものがあります。というのも、育児に完璧を求め過ぎるといつか自分がパンクしちゃいます。

例えば、

「外出直前に赤ちゃんがオシッコ漏らし」

「買い物中に赤ちゃんが不機嫌で泣き叫ぶ」

「ミルクや離乳食を食べてくれない」

等の想定していない出来事が毎日連続して発生します。しかも、双子なのでまさに連続しています。

完璧を目指さないこと

こうしたイレギュラーな出来事に対して完璧を目指していけません。僕も最初は全てにおいて完璧を目指そうと努力するあまり、それがストレスとなってイライラする時がありました(もちろん、今もたまにイライラもする場面ありますが…)。

実はこれってすごく逆効果で、自分がイライラしちゃうと赤ちゃんの機嫌にも影響がでるのか双子も急に不機嫌になったりします。不機嫌の相乗効果です。なので、常にイレギュラーなことは起きるものだし、そうした出来事の一つ一つを完璧にこなす必要はないと自分の心に余裕を持たせるのが大切ということに気がつきました。

心に余裕をもつとどんな時でも柔軟に対応できることが多くなります。僕は「80%人間になろう」と常々思っています。なぜならそうすることで、心に余裕が生まれるからです。

育児は手伝うものではない

基本的に家事や育児は妻と役割分担はせず、ほとんど全て同じように行なってきました。というのも、育児に関しては全ての工程を一度は経験しておかないと、もしも妻が体調不良で寝込んでしまった時に困ると思ったからです。

なので、育児休暇中は『育児を手伝う』という考えではなく、『自分がメインで子育てするんや』という決意をもって育児に取り組むことが大事だと思いました。

家事30%育児70%が理想!?

僕の性格上、部屋が散らかっているのが苦手なのでよく家事ばかりを優先的にしていました。ですが、本当に妻が求めていたのはそんな事より『赤ちゃんとの時間』でした。時間が空いたのならその時間を我が子に使ってたくさん愛情を注いでほしいとのこでした。

恐らく、その様に考えているママさんは多いはずです。

なぜなら、愛情は赤ちゃんの一番の栄養だからです。

家事や育児以外〜気分転換にSNS〜

育児休暇が3カ月間であり、全力で双子育児に向き合っているため、家事や育児以外の時間はほとんどありません。ただ、社会とのつながりが欲しかったのでSNSを始め、隙間時間で育児中のパパママと育児の喜怒哀楽を共有しながら気分転換しています。

育休中の大変だったエピソード

我が子が熱で数日寝込んでしまった経験

ある日、次男が深夜に具合が悪くなってしまいました。次男は機嫌が悪く、常に抱っこをしていないと泣いてしまう状態でした。そこで、病院にかかることにしたのですが、夜中の緊急外来をやっている病院を把握しておらず四苦八苦しました。

「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、急な病気に備えた準備や、深夜の緊急外来への連絡先の妻との共有を事前いしておくと良いと思います。
その後も数日間、次男は抱っこをしていないと泣いてしまうため、日中の家事もほとんどできず夜も眠れない日が数日間続きました。幸い次男はその後回復しましたが、とても大変な経験でした。

外からのコミニュケーションが無くなる孤独感

仕事をしている時は社内や社外の方とコミュニケーションをとる機会があるため、社会と触れながら生活しています。それが育児休暇に入ったとたん家中心の生活にガラッと変わったので、環境の変化に戸惑いを感じました。そのため、僕の場合は外部とのコミニュケーションがほしくてSNSはじめたり、買い物を積極的に行くなどして気持ちをリフレッシュさせています。

育休中は家に籠る時間が増えてウツウツとし太気持ちになることもあるため、皆さんも何かしらの方法で気持ちをリフレッシュできる方法を見つけておくと良いいと思いますよ。

3時間毎の授乳

育児休暇中に最も体力的に辛かったのが、夜中の授乳です。特に我が子は双子なので、妻と一緒に深夜に起きては双子にミルクを飲ませていますが、ぐっすり睡眠ができないというストレスは身体にも影響がでてしまうので慣れるまでは本当に辛かったです。

育休を振り返ってみて

育児は大変です。初めての育児ということもあり想定しないことの連続ですし、加えて、双子の育児は一人が泣くともう一人が泣いて毎日てんてこ舞いです。実際、育児休暇に入り、分単位で双子の育児に日々追われる中で自分の自由時間はほぼ無くなりました。けど、そんな大変さよりも育児の悦びの方がまさっています。赤ちゃんが目まぐるしいスピードで成長する様子を毎日見ることができます。

子供の成長を感じる日々

実際、僕も双子の育児を経験して、『え!昨日まで自分で動けなかったのにもう、寝返りやズリバイやら自分でミルクを飲もうとしてるじゃん!すごッ!!』みたいな経験がたくさんありました。毎日こんなにも楽しい発見をリアルタイムで経験できるのは育児休暇を取らないと絶対に出来ませんでした。そのため、僕は本当に育児休暇を取得して良かったと今も思っています。そして、きっとこれから先も双子が成長していく中で『育児休暇取ってて良かった!』と思えると感じています。

仕事ではできない特別な経験

正直、まだまだ僕はシッカリ者の父親にはなれてないし、育児は完璧にこなせてないので、妻には良く怒られてばっかりです。まだまだ新米パパの未熟者だし、「育児休暇も3か月じゃあ全然時間足りません!」ってところが本音です。

でも未熟者ながら、我が子を抱っこしてあげたり、ミルクや離乳食を食べさせて赤ちゃんとのコミニュケーションを楽しんでいます。ほんとにこの経験は仕事しながらでは絶対に出来ない!と僕は感じているし、育児休暇を取得して本当に良かったと感じています。

次に子供が産まれたら育休を取得したいか〜迷うことなく取得したい〜

もちろん育児休暇が可能なら迷うことなく取得させてもらいます。なぜなら、仕事の余計な心配ごとが入ってくると育児に100%集中できないからです。

これから育休を取得する人へのメッセージ〜育休はハードワークだけど〜

育休は休暇ではないと良く言われますが、僕の経験から言えば仕事を通り越して大変な仕事です。

「片時も赤ちゃんから目が離せない」

「常に赤ちゃんに気を取られている」

「社会から離れて自宅で黙々と育児に専念していると閉塞感も感じる」

育児は肉体的にも精神的にも仕事よりハードワークなので覚悟しておいてください。

でも、それ以上に育児休暇は我が子と目いっぱい過ごせるかけがえのない大切な時間です。昨日できなかったことが今日はできるようになる、我が子の目覚ましい成長を毎日目の前で感じることができるのは何事にも変えがたい悦びです。

「子育ては土日の休日でするから育児休暇は取らなくてもいいや!」とか思っていると必ず後悔します。是非思い切って取得してみてくださいね!

以上、「【男性育休体験記】双子育児の壮絶な日々を過ごす、オトダンさん(3ヶ月取得)」でした。

オトダンさんも経験した男性育休中の“うつうつ“とした気持ちに関する記事はこちら。

男性育休体験記がもっと読みたい方はこちら

コメント

  1. […] オトダンさんの「男性育休体験記」 […]

  2. […] ブログ SNS 育休体験記 […]

  3. […] 【男性育休体験記】双子育児の壮絶な日々を過ごす、オトダンさん(3ヶ月… […]

  4. […] ブログ SNS  育休体験記 […]

  5. […] オトダンさんの「育休体験記」の抜粋 […]

  6. […] 【男性育休体験記】「双子の育児をパートナーだけに負担させないため」ゆういちさん(13ヶ月間取得)育休体験を通じて「男性の育休」のリアリティをありありと伝えていく、シリーズ「男性育休体験記」。今回は、映像関係の仕事に携わりながら13ヶ月間の意休を取得されたゆういちさんです。ゆういちさんは、双子育児に伴うパートナーへの過度な負担を緩和させるために、出産後に急遽育休を取得しました。papaikuq.com2021.05.30 【男性育休体験記】双子育児の壮絶な日々を過ごす、オトダンさん(3ヶ月… […]

タイトルとURLをコピーしました