育児のうつうつ#1「パパの育休取得で、ママの産後の”うつうつとした気持ち”が楽になる⁉」

取材チーム

パパの育児や育休取得が声高に叫ばれていますが、パパが育児に積極的に携わることに懐疑的な声もあったりします。

「育休を取得したパパが家でゴロゴロとしている取るだけ育休」
「余分な口出しをしてママの神経を逆なでしてしまい夫婦関係悪化」

など、巷のネットニュースにはパパの育児や育休取得に関する様々なネガティブな情報が溢れています。

実際、フランスにおいてはパパが育休取得した場合としない場合において、前者(パパが育休取得した場合)の方が女性の産後うつの発症率が高いという研究結果まで出ています。

Yahoo!ニュース
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では、日本ではパパの育児や育休取得はママに取ってどのような影響を与えるのでしょうか。

パパ育コミュでは、本テーマに対して現役パパならではの目線で調査・分析を行い、「パパの育児と育休取得が産後のママの”うつうつ”とした気持ちに好影響を与える」ということが分かってきました。

※本調査は現役パパママ260名を対象に実施した「アンケート調査」に基づいた結果になります。
※現役パパが仕事と育児の合間に情報発信している関係で、研究機関が発表する論文のような科学的根拠には多少目をつぶって頂けるとありがたく存じます。

パパの育休取得とママのうつうつとした気持ち

アンケート結果

上表はパパが育休を取得することでママのうつうつとした気持ちがどのように変化するかを示したものです。

うつうつとした気持ちを感じたかという質問に対して「とても当てはまる」と回答したママの割合は、パパが育休を取得しない場合は46.2%ですが、パパが育休取得した場合では33.3%と12.9pt割合が減少しています。

一方で「当てはまらない」や「全く当てはまらない」を選択した割合は、パパが育休を取得しない場合はそれぞれ10.3%、5.1%ですが、パパが育休取得した場合では18.5%、11.1%となっており、パパが育休取得することで産後のうつうつとした気持ちを経験しないママの割合が多くなっています。

現役パパの声

コミュニティでも現役パパさんにヒアリングしたところ、多くのパパは自身が育休を取得し夫婦二人三脚で育児に取組むことで余裕が生まれ、子供の成長を楽しみながら充実した時間を過ごすことが出来たという声がありました。

また、双子の育児においては、育休を取得しなかったらママが精神的にも壊れてしまっていたかもしれないという声もありました。

このように、パパが育休取得して育児参加をすることでママの産後のうつうつとした気持ちが改善される傾向にあることが分かります。

パパの育児参加とママのうつうつとした気持ち

パパが育休取得することでママの産後のうつうつとした気持ちが改善されることが分かりましたが、育休はパパが育児に積極的に携わるための手段であって目的ではないと言われることがあります。

そこで、次にパパの育児参加時間とママの産後のうつうつとした気持ちについて分析をしてみました。

アンケート結果

上表はパパが積極的に育児参加(週10時間以上)することでママのうつうつとした気持ちがどのように変化するかを示したものです。

うつうつとした気持ちを感じたかという質問に対して「とても当てはまる」と回答したママの割合は、パパが積極的に育児に携わらない場合は52.2%と非常に高くなっていますが、パパが積極的に育児参加した場合では25.0%と割合が半分以下にまで下がっています。

一方で「当てはまらない」や「全く当てはまらない」を選択した割合は、パパが積極的に育児参加しない場合でそれぞれ5.8%、4.3%となっていますが、パパが積極的に育児参加した場合は25.0%、11.1%となっています。

このように、パパが積極的(週10時間以上)に育児参加をすることでママの産後のうつうつとした気持ちが改善される傾向にあることが分かります。

第一子と第二子で違いはあるのか

ここまででパパの積極的な育児参加の大切さを確認しましたが、こうした育児参加は第一子と第二子以降では何か違いは見えるでしょうか。

アンケート結果

画像

上表は、第一子と第二子の出生時にパパが積極的に育児参加(週10時間以上)することでママのうつうつとした気持ちがどのように変化するかを示したものです。

うつうつとした気持ちを経験した割合は第一子において、パパが育児に積極的に参加していない場合は56.8%と非常に高くなっていますが、育児参加で30.5pt低下し26.3%となります。

一方で、第二子においては、パパが育児に積極的に参加していない場合は44.0%ですが、育児参加で20.5pt低下して23.5%となります。

第一子と第二子で共にパパの積極的な育児参加はママのうつうつとした気持ちに好影響があることが見て取れますが、その影響は第一子において特に大きな改善を示していることが分かります。

現役パパの声

コミュニティの仲間でデータについて話してみましたが、第一子の育児においては育児経験が少ないことから育児の精神的な負担が多いのですが、夫婦二人三脚でしっかりと育児に励むことでママのうつうつとした気持ちが改善されるのではないかという意見がありました。

これからパパになる方には、ぜひ第一子か育児に携わる時間を十分取り夫婦二人三脚で育児のスタートラインに立つことをおすすめいたします。

※ちなみに、筆者も第一子では仕事が忙しいという理由で育児に積極的に携われなかったことを未だに反省しております(詳細はこちら)。個人的にも、第一子から育休取得をされることを強くおすすめいたします。

パパの育休取得は「積極的な育児参加」に繋がっているのか

パパの「育休取得」と「積極的な育児参加」を比較すると、両者共にママの産後のうつつうつとした気持ちには好影響があることが分かりますが、「積極的な育児参加」の方がより効果が明確なことが分かります。

これは、パパの現状の育休取得が「積極的な育児参加」の手段として有効に機能していないことを示唆しているのかもしれません。

厚生労働省のデータでも、まだまだパパの育休取得期間は過半数が2週間以内となっており、ママが産後に退院して直ぐに職場に復帰してしまっているケースが多く見られます。

こうした状況では、育休を取得したとしても直ぐに職場に戻って育休前と同様に仕事を中心とした日々を過ごすことになるかもしれません。

コミュニティのメンバーにも上司から「子供が生まれた分も仕事を頑張らないとな。」、「育休を取ったのだからリフレッシュできただろ、仕事に穴を開けた分も頑張って働いてくれよ。」と言われたメンバーもいます。

このように、パパが育休を取得したとしても短期間しか取得できず、加えて、復職後には仕事と育児を両立しながら働く環境が十分に整備されていないことがこうした結果の背景にあるのではないでしょうか。

※ちなみに、パパは新生児の育児に携わるために育休をもっと長期で取得したい一方で、長期の育休取得は一般的とは言い難い状況があり、なかなかパパの希望通りの期間にわたって育休を取得できていない実情について以前に記事を執筆したのでよかったらご覧下さい。

最後に

今回はパパの「育休取得」や「積極的な育児参加」とママのうつうつとした気持ちの改善に繋がるのかということをテーマに記事を執筆しました。

アンケート結果から以下のことが示唆されました。

  • パパの育休取得はママのうつうつとした気持ちの改善に好影響がある。
  • パパの積極的な育児参加はママのうつうつとした気持ちの改善に好影響がある。
  • パパの積極的な育児参加によるママのうつうつとした気持ちの改善効果は第一子の方が大きい。
  • ママのうつうつとした気持ちの改善効果はパパの「積極的な育児参加」の方が「育休取得」に比べて効果が大きい(パパの「育休取得」は「積極的な育児参加」の手段であって目的ではない)

統計的な分析をしている訳ではないので確定的なことは言えない部分もあるのですが、コミュニティの現役パパの中で結果を話し合った際にも、普段の実体験から納得感のある結果だと感じるパパが多かったため、上記の結論は定性的にも一定の意味を持つデータだと感じています。

次回の内容

次回は、「育児における”うつうつとした気持ち”はパパも経験する⁉~令和時代のパパのリアルな声~」というタイトルで記事を執筆しようと思います。

パパが育児参加することでママの精神面の負担は改善されるのですが、その分パパの負担が多くなり、中にはパパがうつうつとした気持ちを経験することもあったりします。

そんなパパの産後の育児にまつわるうつうつとした気持ちをママと比較しながらアンケート調査を元にご紹介していきたいと思います。

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