パパ育コミュのリサーチ部門ではパパの育児や育休に携わる方々にインタビューをさせて頂きながら、令和のパパにまつわるリアルな声を現役パパ目線でお届けしていきたいと思います。
YouTubeチャンネル「プレパパ応援チャンネル」を運営しながら
ご自身でインタビュアーも務めるジョージさん。
パパ育コミュ代表のシカゴリラも出演している動画はこちらから、ぜひご覧ください。
そんなジョージさん、実はご自身で法人向けのダイバーシティコンサルの会社を経営されており
その一環でご自身のYouTubeチャンネルも運営されているそう。
今回はまだパパではないジョージさんが
なぜそこまで男性育休を推しているのかを聞いてみました。
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まず簡単に自己紹介をお願いします。
大学時代にジェンダーを専攻していて
具体的にはフェミニズムや男性学。この勉強があまりに面白くてですね。
いわゆる性別的役割分担。
男性は仕事にフルコミットし、女性は家庭を主に担いつつ仕事もするという。
そういったところにそぐわない人も増えていますし、生きづらい人もいる。
実際に過労死で亡くなる男性もいる。
そういった問題を解決したいというのが学生時代からありました。
その領域でライフワークとしてやっていきたいと思っていたのですが
当時ビジネスというものを全く知らない人間でしたので
経営コンサルティングの会社に新卒で入りましてさらに転職し何社かで経験した後
2021年の秋に独立して起業をしました。
その事業が2つありまして1つが法人向けのダイバーシティコンサル。
(女性管理職比率の向上や男性育休の推進)
もう1つがYouTubeの事業です。
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なぜ男性育休の取得推進のYouTubeチャンネルを?
現状性別的役割分担を変える一つの突破口が
“男性の家庭進出”だと思っていて。
調べていくと、新生児期の育児で男性が戦力として認められないと
その後、育児に手を出させてもらえない。
そうすると家庭での役割が小さくなってしまうので
男性の育休取得という点で情報発信をしていこうと。
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コンサルなどで企業の方とお話してみて男性育休の現状はどのように感じますか?
一部の人事の人が手弁当で頑張っているという感じですね。
会社として予算をつけてやっていこうというレベル感でない会社が多いです。
実際にお話を聞く企業は上場企業など大きな会社が多いのですが
そのような会社でも「男性育休よろしく」というのが上から降ってきて
人事が「どうしよう…」みたいな。
とりあえず予算はないけど、外部から講師を呼んできて研修などで
様子を見てるというくらいの地点だと思います。
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研修の講師の派遣なども事業としてやられている?
それがやっていなくてですね。
結構悩ましいところで…
極論を言うと、私個人としては研修とかそういう軽いものは
効果がないと思っていて。
労働時間を合理化するとか、人員の余力を持つとか
コアの部分に切り込んでいかないとダメだと思っていて。
ただ今やっている”仕事を変える”ということって
コンサルを探している人事などの部署にとって裁量のある部分ではなく。
経営企画などの部署の裁量になってくる。
実際のお客さんのニーズに合わせて研修などに手を広げた方がいいのかは
常に悩ましいと思っています。
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そんな中でも実際に前向きに育休取得を進める企業もありましたか?
数社、本当に10社もないくらいですね。
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その数社に対してはどのようなことを?
まず施策をやるにしても、
なぜこんなに男性育休の取得率が低い、期間が短いのかを
明らかにしなければならないので、従業員アンケートを取るところからです。
“そもそも取りたいと思っているのか?”
“取りたいけど取れないのか”というステップがあるので
その分布や理由をブレイクダウンしていくようなアンケートをしてる感じですね。
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アンケートを解析してどうでしたか?
実際パパ育コミュ的には取りたい人が多いという印象ですが。
一般的に公開されてるアンケートと同じで
「取りたい」という方は一定数いるんですが、期間がものすごく短い。
「1週間くらい」と答える方がすごく多い。
“男性育休”は身近になったのですが
そもそも”なぜ取るのか?”の情報発信が
社会的に追いついてないのかなというところですね。
これはYouTubeのチャンネル名変更とも関係するのですが
(「パパ育休応援チャンネル」→「プレパパ応援チャンネル」に変更)
「妊娠出産とはなんぞや?」というのとセットで進めていかないといけない
というのが今の問題意識です。
「取りたい」とは言ってるけど
そもそもなぜ取るかわかってない人だと
会社に「取れないよ」と言われたら、そこで取らない選択をして終わってしまう。
「なんとしてでも取りたい」人なのかと言われるとそうではない人が多い。
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実際に本気で取りたいと思う人を増やすには?
私の会社でできることというのは外部から講師を呼んで
「産褥期とは何か?」や
「妊婦の身体のダメージってどうなの?」という話をするくらいしかなくて。
研修で知識をつけつつ、そもそも会社の人的余力を作れるように
仕事のやり方を変えていくというのが今の二本柱という感じですね。
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コンサルを受けるのは大企業の方が多いということで
法改正で男性育休取得率の公表義務がある会社も多いと思います。
法改正は企業側に影響はありましたか?
効果はあったと思いますけど、ただ予算がつくほどではなかったですね。
なぜなら他の企業もできていないから。
そもそも経営側に男性育休を取らせるメリットもない。
「男性育休取れなきゃ辞めてやる」みたいな人が現状ほとんどいないと思うので
経営側としてもやらなくてもクリティカルなダメージじゃない
というのがあるんじゃないかなと。
なので男性陣(取る側も取らせる側も)の知識を
つけていくことが当面のアクションになるのではないかなと。
経営陣にとっては外面を良くするくらいしかメリットがないので。
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実際に男性育休を取得させた会社へ
お金を配る施策をやる自治体もあると思いますが
それで企業の行動は変わると思いますか?
実際に企業側に聞いたことはないので想像になりますが
企業の行動を変えるほどの金額ではないと思います。
あくまで代替の人を派遣やアウトソースで補うための費用であって
制度を整えたり引き継ぎをしたりするのは当然企業側の負担になりますし
そこを踏まえても取らせる金額としては少ない気がします。
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現状の課題をまとめると?
やはり男性自身の知識不足。なぜ育休を取るかがわかっていない。
なぜ育休を取るかわかっていないからちょっと抵抗されると諦めてしまう。
さらに経営側にとってはリスクではないので予算がつかなくて
人事部も動くに動けない。
でも大きな原因が「知識不足」だと分かったことが個人的に大きくて
それがYouTubeチャンネルを進めていくことに繋がった。
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“産褥期の大変さ”などネガティブなワードが並ぶと
どうしても”子どものいる楽しさ”など
ポジティブな部分も伝えたくなるのですが…
実際、ポジティブな面だけが出てしまうと
(育児休業が)贅沢品になってしまうなという意識もあって。
QOLの向上的なものに誤解されてしまいそうかなと。
そちらの側面があるのは事実なのですが
そちらばかりが強調されてしまうと、
実際 取りたい人が取りづらくなってしまうのもあって。
ネガティブな面とポジティブな面、両方ともセットでというのが
企業側に理解してもらうためには落とし所なんじゃないかなと思います。
実際ポジティブな動機で育休を取る人は
すでに取ってしまっている状態なのかなと思っていて。
この産後の女性の大変さの部分は今の40〜50代の人たちが
全然知らない部分だと思うので。
その部分からアプローチしていく。
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最後にお伝えしたいことがあれば
YouTubeのインタビューをしていて
最近気づいたことがあって
「育休って愛情表現だな」って。
妻への愛の伝え方のひとつだと思って。
育休を取った男性の
子どもとの面でポジティブな面が語られがちですけど。
そもそも夫婦の仲の良さというか。
みなさん子どもが好きっていうのは伝わってくるんですけど
それと同時に奥さんも好きなんだろうなと。
「育休は愛だ」という動画も最近撮ったので
公開を楽しみにしていただければ!
(3) プレパパ応援チャンネル – YouTube
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