プロフィール
・名前:Takumi [Air Tourism]
・具体的な育休取得期間 2021年5月31日(月)〜6月30日(水)
※出産日:5月21日(金)帝王切開、退院日:5月29日(土)
・居住地:神奈川県横浜市
・職業:会社員(1001人以上)
・育休取得時の家族構成:パパ37歳、ママ37歳、長男2歳、長女0歳
・Twitter、Youtube
自己紹介(育休取得までのキャリア)
建築技術者(一級建築士、一級施工管理技士)としてゼネコンで勤務し、メキシコ6年間、タイ2年間、海外駐在員として工事現場の監督をしていました。
その後に転職し、現在は食品製造業の会社で働いています。
◎メキシコ時代(独身)2011年4月〜2017年8月@ゼネコン
建設現場は平均1年間でプロジェクトが完了するため、毎年メキシコ国内で居住地が転々とする生活を送っていました。私はもともと旅行好きなので、居住地が変わるたびに、毎週末いろいろな場所へ出かけてその土地を楽しんでいました。
そんな折に、メキシコにて日本人の女性(現在の妻)に出会いました。
お互い旅行が好きなので、一緒に旅行するという生活が続きました。
メキシコでの生活が6年目を迎える頃、トランプ政権誕生によるメキシコ国内での日経企業の建設需要低下で仕事が減少し、メキシコからタイへと赴任辞令を受けました。
辞令のタイミングで付き合っていた女性(現在の妻)の仕事内容に区切りがついたので、結婚してタイに帯同することになりました。
◎タイ時代(結婚)2017年9月〜2019年8月@ゼネコン
タイでは、妻と二人で赴任する予定でしたが、ビザ取得で妻の渡航は3ヶ月ほど遅れることとなり結婚早々に離れ離れの生活を強いられました。
加えて、妻の入国後も別居生活が続きました。
タイの居住地事情として、日本人家族が滞在する環境が整っている地域はバンコクと他一部だけなのです。
私の勤務地は、そうした地域から片道3時間以上かかるため平日は勤務地の近くに住み週末に妻の住むバンコクへ帰るという生活が続きました。
そんな別居生活が続く中で、妻の妊娠がわかりました。
そのタイミングで、幸いなことに遠隔地でのプロジェクトが完了し、バンコク近郊地でのプロジェクトに任命されたため、やっと妻と同居することができました。
身重の妻と誕生してくる子供のための準備をしている日々の中、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
2018年9月 [2人の子供を持つ日本人女性がコンドミニアム(マンション)のベランダから飛び降り自殺]
普段から「2人の幼い子供の子育てや仕事に追われる夫について不満を漏らしていた」
という情報を見て、他人事とは思えない危機感を覚えました。
2018年12月3日長男が誕生しました。
当時の私は、育児休業という考えは有りませんでした。(お恥ずかしいですが)
出生直後の12月3日〜4日は休みを取り妻の入院中の1週間は病院から職場へ通うという生活をしました。(バンコクの病院は個室のため、面会者も宿泊する事ができました。)
妻の退院後、数日は代休と有給を使い1週間ほど仕事を休み、年末休暇へと入りました。
長男の誕生前後は時間に余裕のある生活が続き家事育児をすることができていました(タイでは家政婦さんを雇うことができるので妻の負担減に役立ちました。週3日3時間)。
しかし、プロジェクト開始とともに業務多忙となり夜遅くに帰宅する日も出てきました。
そんな多忙な日々を過ごす中で、将来の自分の働き方について考えるようになりました。
・ゼネコンに勤務し続ければ、いずれ家族と別居(単身赴任)する事になる
・妻はタイに帯同ビザで来ているため、就職できない(妻は、複数言語を話すなど有能であるのに)
上記の問題の解決をする為に、転職活動をはじめ、日本へ帰国する決断をしました。
結婚したて出産したてという状況にも関わらず、生活環境を激変させる転職を伴う帰国という選択肢に対して妻に相談しましたが、妻は悩みながらも了承してくれました。
海外からの日本での転職活動ということもあり不安はあったのですが、インターネットを使ってスムーズに転職活動をすることができました。。
転職活動の際に転職目的として[家族と一緒に暮らしたい]を自分の意志として伝えました。
面接の際もこの気持をアピールし、採用企業を選定しました。
◎日本帰国2019年8月〜@転職後
日本での新しい職場では、転職時に明確に会社側にも伝えていたように、私が家庭生活を重視しているという事を公表している為
・[子の看護休暇]及び[有給休暇]を積極的に使うこと(息子の病状対応)
・保育園にお迎えに行く為、時差勤務[7:30〜16:00]をする事
が職場内で認知されています。
日本に帰国してからは毎日無残業を実現できているため、転職して良かったと思っています。
日本に帰国後に息子の保活問題に直面する等の苦労は有りましたが、無事に保育園が決まりました。その後、妻の就職先も決まりました。3年ほど就労ブランクが有るのに、早々に正社員としての採用が決まったので本当に有能だと思いました。
育休を取得した理由
日本に帰国後、幸いなことに第2子を授かりました。
第1子の経験で、出産直後の1ヶ月間は頻回授乳(約3時間置き)に対応したり、赤ちゃんの生活リズムを整えるため、会社に時間の取られない[育休]を取得する必要があると考えました。また、第2子の出生ということもあり、第1子との関係に余裕を持たせるためにも[育休]が必要であると考えました。
産後1ヶ月以降は、産褥期でまだ大変ですが、普段の業務のボリュームが少ないので、両立可能と判断し育休期間は[1ヶ月]とする事としました。
育休取得プロセス
家族とのやりとり
妻の会社では男性も育休を取得する社内文化が醸成されており、我が家には「今どき、育休はとれるよね」という雰囲気が家庭内にはありました。
会社とのやりとり〜ハラスメントの経験〜
■2020年12月
安定期に入ったタイミングで、上司に相談
「そうかおめでとう、他の人の取得状況とか調べて。取得に必要な手続き、俺も詳しくないから調べておくわ」との返答を受ける。
過去の[男性育休取得期間]を調べたところ
・[1週間未満]が9割以下
・[1ヶ月]が1名のみ
という事が分かり、胸に[不安]がこみ上げました。
■2021年2月末
再び上司に相談(出張時のタクシー内での会話)そこで下記の言葉を言われました。
「会社は世間体を考えて。[男性の育休推進]を謳って社内制度を整えているが、専務(部長)のように昔気質の人は、そういう制度を実際に使えば、「何してるの?」って思うよ」という言葉を言われ、頭の中が真っ白になりました。
■2021年3月初旬
上司に対して[育休]の必要性を示すために自身の勉強が必要だという思いが強まり、勉強を始めました。
そこで 書籍[男性の育休]を手に取り、昨今の[育休]を取り巻く環境を知り[自分の行動が間違いでは無い!!]という確信を持ちました。
■2021年3月中旬
社内の[コンプライアンス通報窓口]へ、上司の発言内容が[パタハラ]に該当する事を通告。
コンプライアンス担当者も上司の発言が[ハラスメント]に抵触しかねない発言である事を認めてくれました。
([ハラスメント]には、[嫌がらせ]という意味を含んでいるため、[ハラスメント]として手続きをすすめるには、[嫌がらせを受けた]かどうかが重要になる。と言う事でした。)
コンプライアンス担当者(人事部)から上司に対して[指導]が入り無事に[育休]を取得することができました。
育休期間の設定
育休期間は妻との相談の上1ヶ月としました。項目が多いので、1ヶ月を選択した前提と理由を箇条書きまとめました。
■第2子出産時の状態と課題
○状態
・両実家共に遠方(神奈川県横浜市在住で、私の実家ー千葉、妻の実家ー大阪)
・義母の応援は1ヶ月後(コロナワクチン接種の日程の為)に1周間のみ
・私の実家は仕事の為、訪問応援はできない
・妻自身の育休期間は1年間(小さな赤ちゃんと極力一緒に居たい)
○課題
・長男(2歳)の保育園送り迎え(長男はやんちゃ盛り、保育園までは徒歩で行けるが激坂を超える必要があり乳児を抱っこした状態で長男を外に連れ出すのは結構な重労働。)
・妻の出産は「帝王切開」であるため、体力の回復が重要
理由①(5日間のような短期としなかった理由)
・床上げ期間(産後21日)は妻の負担を極力無くす必要があると判断した為
→この期間は、食事、洗濯、掃除、全てを妻以外の人間が行う必要があると考えた
・産まれてくる子の生活リズムを掴む為
→赤ちゃんによって、リズムが違う事を第1子で実感。赤ちゃんのリズムに合わせるため、「仕事のリズム」を無くしたいと思った。
理由②(半年のような長期間としなかった理由)
・仕事での残業は無いので、早朝及び夕方の家事育児は参加できる
・時差出勤ができるため、毎日の保育園のお迎えは私ができる
・子供2人に病状が出ても、私自身が仕事を休みやすい環境であるため対応できる
・下記の産後サポートを使えば、妻の負担を軽減しつつ、職場復帰を果たせると考えた
産後1ヶ月以降の妻のサポート
・週1日〜2日の在宅勤務
(在宅日は下の子の見守りを私が出来るため、保育園の送迎は妻が長男一人を連れ出せる)
(在宅日は仕事の片手間で赤ちゃんのケアができるため、妻が気晴らしに外出できる)
・ファミサポの利用(週2日ほどの長男の保育園の送りを依頼)
費用ー1回1,240円(費用800円+往復バス代440円)、月に10回ほど利用、1,240円x10ー3,000円(会社の福利厚生)=9,400円。
・産前産後ヘルパー(産後ドゥーラ)の利用(週2回、2時間の家事及び育児補助の利用)
費用ー1回1,500円(通常3,000円 横浜市の補助で半額)、月に10回ほど利用、1,500円x10 =15,000円。
・妻が保育園送迎する際のタクシー利用
費用ー1回500円〜800円(乗車料500円+迎車料300円)、月に4回ほど利用、800円x4 =3,200円。
育休期間1ヶ月の終わってみた感想
育休期間を1ヶ月で切り上げたのは少し早かったと思っています。
(我が屋の場合は2ヶ月間くらいがベストであったと考えています。)
理由
産後1ヶ月〜2ヶ月の間はまだ産褥期であるため、まだ「悪露」が出ていました。
この時期に妻による「長男の送迎」を行った際に体力面でまだ回復仕切っていなかったので、産前産後ヘルパー・ファミサポの利用回数を増やして対応しましたが、「育休」で私が対応するほうが良かったと思っています。
育休中の生活
家事や育児について
[育休中は妻の授乳以外の負担を無くす!!]という目的で下記担当しました。
・一般家事 掃除、洗濯、食事、ゴミ出し
・長男育児 保育の送迎、お風呂、食事
・長女育児 沐浴、オムツ替え、授乳(朝4時台20時台)及び妻の母乳の足りないとき。
・役所手続き(出生、長男の保育園)
育休前から時差勤務で家事に参加できていたのでスムーズに開始できました。
○育休中の家族のスケジュール
家事や育児以外
・朝活(プログラミング学習)
・隙間時間の読書
・Clubhouse(月、水、金 12時〰13時)
・保育園の降園後(16時)長男と公園遊び
・一度だけ平日に長男と動物園に行ったのが本当に良かったです。
育休中の大変だったエピソード
○(正確には育休中ではないのですが)産後に妻が入院している間、育休を取得せずに仕事をしながら第1子の育児をしていたので、[プチワンオペ]を経験しました。
[フルタイム+長男の育児]を経験して、ワンオペの大変さを身をもって感じました。
[育児が嫌]になる理由も納得できました。
○育休中に長男に[とびひ」]が発生したことがありました。3日間ほど、保育園を欠席して家で看病することになりました。育休取ってなかったらパニックなってたと思います。
育休中のお金のやりくり(育児休業給付金、生活費の変化、副業など)
■育児休業給付金
育休前に、エクセルを使って「育児休業給付金」の計算をしました。
手取りの9割の給付金を受け取れる計算結果になりました。
実際に受け取った給付金も、ほぼ同じ金額でした(元々残業しない就業スタイルだったので残業代も影響はしませんでした)。
■生活費の変化
コロナ禍以降、外食の機会が減っていたりしたので、ほぼ変化ありませんでした。
元々旅行が趣味の家族だったのですが新生児期間は旅行(日帰り)に行けないので旅行費用が下がったくらいです。
■副業
育休前は・ブログの開始・プログラミングの勉強 等色々スキルアップを図っていましたが 前述した「赤ちゃんのリズムに合わせる」を優先したのでほとんど進まずでした(笑)
育休からの復職
復職前の会社とのやりとり
・上司にメールで報告
・1ヶ月の休みなので驚くほど何も無かった
復職後の仕事
・全て順調です
復職後の家事や育児
・思いの他妻の体調回復が良いので妻が進んで家事をしてくれています
・育休中に長女の「夜泣き」は無かったのですが、育休明けたら始まった💦
・育休明けすぐ(5日後)に長男が発熱。義母が来ていたので助かりました。
育休を振り返ってみて
全ての面で[取って良かった]と思っています。
[改正育児介護休業法]が可決された時期に育休したので[自分の行動]に自信を持てました。
○パパ育コミュへの参加
[男性の育休]書籍内容に感銘を受け、Mirako天野氏へ「書籍のお陰で行動できました!!」というメールを送りました。
その後、Zoomで面会をする機会をいただき[シカゴリラ]さんの紹介を受け、活動内容に賛同し、コミュニティ入りさせていただく運びとなりました(余談ですが、天野さんは私の大学の先輩でした。)
パパ育コミュでの活動(Twitter,Clubhouse)のおかげで、社会とのつながりも持ち続けたので、[産後うつ]リスク低減にすごく役立ったと思います!!
次に子供が産まれたら育休を取得したいか
次はもっと長く取ります。
これから育休を取得する人へのメッセージ
・理由も期間も人それぞれ、もしも会社などに[反対]にあっても取得を勧めます。
[育休取得]は明確に家庭にメリットをもたらすと思います。
・出産直後の心身疲労で不安定な妻のケア
・教科書どおりにはいかない新生児のリズムの把握
・家族が[1つのチーム ]としてまとまる為の期間
・兄弟児への余裕を持った接し方ができる
[育休]のメリットは枚挙に暇がありません。
その他(言い残したことがあれば是非)
男性が育休取っても良い
男性が家事をやっても良い
固定概念に縛られず、各人の自由意志を尊重し、[選択の自由]が尊重されます。
「自分が何をしたいか?」
「どういう生活を送りたいか?」
を真剣に考えた結果であれば、どんな決断であれ社会は受け入れてくれます。
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