【休暇に関する日米欧の感覚の違い】男性育休が取得しづらいのではなく、そもそも休暇が取得しづらい

男性育休の現在と未来

男性育休がしづらい理由〜そもそも休暇が取得しづらい〜

男性育休が取得しづらい理由として「男性育休が取得しづらい職場の雰囲気」があります。

日本人の休暇に関する感覚(労働文化)〜休暇に対する罪の意識〜

実は、これは男性育休に限ったことではなく、日本人の休暇に関する感覚(労働文化)に根付いたものです。日本人は“休暇に対する罪や恥の意識“を持っているのです。

例えば、夏休みの取得についても欧米と日本では大きく感覚が違います。

皆さんも夏休み取得することについて職場に迷惑がかかるかので、「すみませんが、夏休みを取得させて戴きます。パソコンは持って帰りますのでメールは確認します。」と夏休みに入る前に周囲に断っていないでしょうか。これはまさに、休暇に対する罪の意識が表象しているケースです。

欧米諸国の休暇に関する感覚

しかし、欧米諸国では夏休みは当然の権利であり「すみませんが」などという枕詞もパソコン持参も不要です。

私も以前米国にいた時は当然のようにSummer Vacationと称して2週間の夏休みをとってパソコンを持たずに日本に帰りましたし、また、日本の職場にいてもイギリス人の同僚は周囲が1週間なのに平然とSummer  Leaveと称して夏休みを2週間取っていました。

日本の有給取得率は最下位

こうした事例を表すデータとして、エクスペディア社が行った有給取得率の比較があります。このデータからも日本の有給取得率が調査した国の中で最下位であることがわかります。

家族と仕事の優先順位

こうした休暇を取得することに対する感覚は各国の労働文化に根付くものです。さらに言えば、それは会社と家族(プライベート)のどちらを優先するかという優先順位の問題です。

日本は終身雇用が前提とした働き方であり、会社は人生のほとんどの時間を共にする家族と言っても過言ではありません。会社という家族と家庭という家族、2つの家族の間で、会社の優先してきたのが日本の労働文化なのだと思います。

男性育休の普及には労働文化の見直しが必要

このように、男性育休取得率が低迷する背景には、そもそも「休暇が取得しづらい職場の雰囲気」があり、その正体は「休暇への罪や恥の意識」であることを説明しました。そして、それは日本人の「家族よりも仕事優先」という労働文化に根付くものではないでしょうか。

こうした労働文化に根付く会社優先主義が改善されない限りは「有給休暇を取得しづらい職場の雰囲気」も「男性育休が取得しづらい職場の雰囲気」も改善されません。男性育休取得率を引き上げるということは日本の労働文化を見直すということと密接に関係しているのです。

そして、労働文化を見直すことは時間がかかるのです。

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