【授乳の大変さ】“おっぱい“にまつわる「3つの覚悟」と「10の負担」!パパができるサポート解説!

パパ育児の「AtoZ」

子育てをしているパパがどうしても変わることができない授乳。

この授乳をするためにママには特別の器官として“おっぱい“が備わっています。

今回は、男性育休を1年間取得したパパの目線で、“おっぱい“にまつわる授乳に関する10の負担を説明するとともに、ママがリラックして授乳をするためにパパとしてできることをお伝えします。

おっぱいを持つ3つの覚悟〜精神・肉体・病気〜

おっぱいを持つことには様々な覚悟が必要となります。以下では、おっぱいを持つことに関する「肉体的な負担」、「精神的な負担」また「病気のリスク」について解説していきます。こうした負担やリスクを負っても気軽に「おっぱいが欲しい。」と言えるでしょうか。

一つ目の覚悟〜肉体的な4つの負担〜

授乳には肉体的な負担が伴います。以下では「栄養を吸われている」、「肩こりや腱鞘炎」、「乳首の痛み」、「おっぱいの張り」について具体的に見ていきましょう。

負担①栄養を吸われている〜母乳はママの血液〜

母乳はママの血液からできています。母乳は乳房の乳腺組織の一番奥にある乳腺房という場所でできています。乳腺房の周りにはたくさんの血管が張り巡らされており、血管から血を吸い上げて母乳が作られています。血液の赤色成分である赤血球は取り除かれ、代わりにカゼインというタンパク質が母乳に取り込まれます。このカゼインが集合するとミセルというかたまりができ、これが光を乱反射して母乳が白く見えるようになります。つまり、赤ちゃんはママの血液を吸っていると言っても過言ではないのです。

負担②肩こりや腱鞘炎

授乳中は長時間にわたり前傾姿勢で重量のある赤ちゃんを抱えているため、非常に肩、首、手に負担がかかります。出産直後の骨格が緩くなっている時期に我慢をして無理な姿勢で授乳をしていると、早い人では授乳開始直後から、遅い人でも、授乳を始めて1ヶ月頃からこうしたトラブルが出てくるようになります。加えて、泣き続ける赤ちゃんをなだめたり、寝かしつけのために抱っこをしていると肩や手には大きな負担がかかり、こうしたトラブルを加速させます。

負担③乳首の痛み

赤ちゃんはおっぱいに「むはっ」と吸いつこうとしますが、ママとの呼吸が合わないと吸いつき方が中途半端だったりします。そうすると、乳首を浅く吸ってしまったり、赤ちゃんがポジションを変えようと何度も吸い付き直したりして、ママの乳首と子供の口が擦れあったしまいます。また、歯茎で乳首を噛まれる場合もありますし、なんと言っても歯が生え始めてから乳首を噛まれると激痛が走ります。考えただけでも痛そうです。

負担④おっぱいの張り

授乳は一日8回、3時間ごとにするように体内のホルモン(母乳に作成に作用するプロラクチンや母乳を分泌に作用するオキシトシン)がリズミカルに機能していますが、授乳をしない場合や赤ちゃんが十分に飲んでくれない場合は母乳が溜まって入ってしまい、おっぱいが張り痛みます。働くママさんの中にはおっぱいが張ってしまうので、会社で搾乳しているという話も聞いたりします。

パパにできることサポート

授乳によってママの栄養が赤ちゃんに吸い取られます。そのため、ママにとっても赤ちゃんにとっても良質で栄養価の高い料理を作ってあげましょう。

肩こりや腱鞘炎がひどい場合は、肩や首のマッサージをしてあげるなど、ママの母体のケアに努めましょう。10分でも横になってもらってマッサージしてあげると体がなくになります。また、寝かしつけやげっぷ等で長時間抱っこしているのも肩こりや腱鞘炎の原因となりますので、積極的にパパが担うようにしましょう。

乳首の痛みについては、あまりに痛みがひどいようでしたら、痛みが治るまではミルクに切り替えてもいいかもしれません。また、パパとしては専用の授乳用クリームを買ってあげると喜ばれるかもしれません。

2つ目の覚悟〜精神的な4つのストレス〜

授乳することの負担の二つめに「精神的な負担」があります。例えば、「おっぱいが出ないストレス」、「睡眠不足によるストレス」、「卒乳に伴うストレス」、「食べ物の制限に伴うストレス」についてそれぞれ見ていきます。

負担①おっぱいが出ないストレス

母乳で育てたいと思っていても、赤ちゃんが生まれても母乳の出が悪かったり、もしくは、母乳が全く出ないママもいます。もしくは、母乳が良く出るママでも疲れが溜まったり風邪をひいたりすると母乳が出にくくなることもあります。こうした母乳が出ないことについて赤ちゃんに申し訳ない気持ちになったり、時には自責の念から泣いたりしたことがあるママもいるのではないでしょうか。

パパの中には、母乳が出なければミルクがあげればいいのではないかと思う人もいるかもしれません。もちろん、それで赤ちゃんは育つのですが、大切なのは解決策ではなくママの気持ちです。私も育休を取得して1年間にわたり妻の様子を見ていておっぱいが出ないということはパパが思うより、とても辛いことだと知りました。

負担②睡眠不足によるストレス

母乳で子育てをする場合は新生児の場合は3時間おきに一日8回授乳をしなければなりません。授乳する前の準備(乳首の消毒や授乳パットの準備等)や、授乳後のゲップの時間等もかかるため、授乳に伴う負荷は相当なものです。

加えて、授乳の合間におむつ交換や寝かしつけをしなければならないとなると、ママはほとんど寝る時間がなくなります。それに、パパが仕事で育休や時短勤務等ができなければ、日中の家事もこなさなければなりません。これではママが寝る時間はほとんどありません。

負担③卒乳に伴うストレス

卒乳をいつするのか、卒乳が上手にできるのかと言った問題もママにとってはストレスになったりします。卒乳というのは、親が子離れし、子が親離れする絶妙のタイミングを見計らいながらママの堅い決意をもって行う行為なのです。働きながら卒乳をするなんて考えただけでも大変そうです。そのため、卒乳のタイミングを見誤ったり、決意が固まらずに、2歳、中には3歳まで授乳しているママもいたりします。

加えて、ママと赤ちゃんをつなぐ特別な行為である授乳をやめるという卒乳はママにとっては子離れであり辛いことだったりします。シカゴリラは育休を取得している間に息子が卒乳したのですが、驚くほどスムーズに卒乳していました。しかも、卒乳と同時にピタッと夜泣きがなくなりました。しかし、「やった〜。」と嬉しそうにしているシカゴリラとは対照的に、妻は何度も寂しそうにしていました。

負担④摂取物の制限

授乳中はママが食べた食事が母乳を通じて赤ちゃんの体内に入る可能性上がるあるため、「アルコール」、「カフェイン」、「薬」については摂取量が多くなりすぎないように気をつける必要があります。お酒が好きな方にとっては一年近くお酒を控える必要があって辛いですし、また、風邪を引いても気軽に薬を飲むことができないため病気が長引くこともあります。

口から摂取するものを制限されるというのは思いの外辛いものです。ただ、卒乳した後に飲むアルコールの一口目は格別みたいですね。

パパにできるサポート

おっぱいが出ない場合は、医師に相談することや桶谷式マッサージを進めるなど、一緒に対策を考えてあげましょう。

睡眠不足でママが疲れている時は、完全母乳で育てている場合でも、夜間授乳を休みにして、パパがミルクをあげましょう。また、日中に30分でもママが眠る時間を作ってあげましょう。

授乳に関するストレス(おっぱいが出ない、卒乳できない等)の場合は、しっかりとママの話を聞いてあげましょう。解決策を探すことも大切ですが、まずはママの辛い気持ちを受け止めてあげましょう。気持ちが落ちついたら一緒に解決策を探しましょう。

3つ目の覚悟〜病気のリスク〜

おっぱいを持っていることで病気のリスクが上がります。例えば、授乳中であれば「乳腺炎」が挙げられますし、おっぱいを持っていることで「癌(乳がん)」のリスクがあがります。

病気のリスク①乳腺炎のリスク

先述のとおり、おっぱいが出過ぎたり、赤ちゃんが思うように飲んでくれない場合に、需要と供給のバランスが崩れ、胸が張ることがあります。すぐに対処できれば問題ないのですが、張った状態が長時間続くと病気につながります。例えば、乳腺内に母乳が詰まると乳腺炎になってしまいます。授乳初期、特に産後2〜3週間においては乳腺が活発に働いているため乳腺炎になる人が多いと言われています。乳腺炎の症状は乳房の痛みや腫れ、また、ひどい場合は体の倦怠感を伴います。加えて、乳腺炎で乳管が詰まってしまうとおっぱいがうまく出なくなり、赤ちゃんが十分に栄養を飲んでくれなくなります。その結果、乳腺炎はさらに悪化しますし、赤ちゃんも不機嫌になり乳首を強く吸ったり噛んだりします。負の連鎖です。

病気のリスク②乳がんのリスク

授乳とは関係ありませんが、おっぱいを持っていることで乳がんのリスクがあります。国立癌研究センターの資料から女性の癌のリスクを年代別に見ていくと、乳がんが四十代では最も多くなっています。このように、授乳をするという行為に必要なおっぱいという女性に備わった器官を持っていることで癌の罹患リスクが上がるのです。

パパにできるサポート

病気のリスクに備えて、ママが不調を訴えていたら、無理をさせずに専門家に相談するようにしましょう。

また、治療も大切ですが、予防はなお大切です。

子育て中は健康診断に行く時間もなかなか取れませんが、是非パパが育児を引き受けて時間を作ってあげてください。特に、若年女性が罹患しやすい「乳がん」や“マザーキラー“と呼ばれている「子宮頸癌」には気をつけてください。

ママが健康で子育てをできることは決して当たり前のことではありません、とても特別なことです。体調が悪い状態を放置していたり、検診をスキップしたことがママの命に関わることもあります。

まとめ〜パパにできることは授乳という特別な時間のサポート〜

今回は授乳をすることに伴うママの大変さを「肉体面の負担」、「精神面の負担」、「病気のリスク」の3つの観点から見てきました。

パパは積極的に育児をしていると、どうしてもパパにはできないママと赤ちゃんの特別な行為である授乳を羨ましく思うことがあるかもしれません。そして、「おっぱいがあったらいいな。」と思うものです。

シカゴリラも育休初期においては授乳を羨望の眼差して見ていた時期もありました。ただ、育休を通じて感じたのは、今回見てきたように授乳に伴いママが背負っている様々な負担やリスクがあるということです。そして、授乳という行為はパパが立ち入ることができない、赤ちゃんとママの二人だけの特別な行為なのかもしれないと思うようになりました。

いずれは離乳食を食べるようになり卒乳を迎えることになります。授乳というのは、産後わずか一年程度の限られた期間にのみできる赤ちゃんとママの神聖な行為なのです。

そうであれば、パパがやるべきことは、授乳という二人だけの特別な時間を、二人がリラックスして穏やかな気持ちで過ごせるようにサポートしてあげることなのではないでしょうか。

以上で、「【授乳に伴うママの苦労】62.5%のパパが欲しい「おっぱい」!?」を終わります。

育休中の生活に関してパパが気をつけた方が良いことはこちらにまとまっています。

また、男性育休体験記も是非ご一読ください。

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