【男性育休体験記】3人の娘のために3度の育休を取得した、三娘(さんむす)パパ

男性の育休体験記

男性育休は人それぞれです。家庭環境や職場環境等に応じて育休のあり方は異なってきます。

そんな多様な男性育休について、男性育休取得者の体験記を通じてお伝えしてしていきます。

今回は「三娘(さんむす)パパさん」の体験記です。

プロフィール

・名前:三娘(さんむす)パパ
・具体的な育休取得期間
長女:2016年12月~2017年4月
次女:2018年11月~2019年4月
三女:2020年4月~2020年12月現在育休中
・職業:会社員(1001人以上)
・育休取得時の家族構成:パパ35歳、ママ30代、長女3歳、次女1歳
SNS:https://mobile.twitter.com/sanmusupapa
ブログ:https://sanmusupapanomezaseikujimaster.com

育休を取得した理由

第一子において育休を取得した理由は2つあります。

理由①妻から育児休業をお願いされたため

第一子を妻が妊娠した際に、初めての育児を一人ですることに対して不安があった妻から「育児休業とってくれる?」とお願いされました。父親として育児をすることは当然と思い、迷うことなく快諾しました。

理由②家族を大切にしたいから

私は仕事よりも家族を大切にしたいという信念があります。

私は母をがんで亡くしたことがあるからです。

母ががんを発病した当時、私は所謂ブラック企業で働いていました。毎日長時間労働が続いており家に帰れない日もしばしばでした。

母が入院してから仕事の合間を縫って病院に通う日が続きました。ある日、母の容態が悪化したため医師から「今日は宿泊して付き添いますか?」と聞かれました。仕事のことしか頭になかった私は「仕事があるから帰ります。」と言いました。

その日、母は亡くなりました。

当時は毎日仕事が忙しすぎて、家族のことを考える余裕がありませんでした。母を亡くして初めて「家族が一緒にいることの大切さ」、そして、「家族が一緒にいることは当たり前ではないこと」に気付いたのです。

母の死を受け、私は仕事より家族を大切にしようと決意しました。

第二子と第三子においても基本的には同様の理由です。子供が増えると育児の負担が大きくなること、また、家族を大切にしたい想いから育休を取得しました。

育休取得プロセス

家族とのやり取り

妻から第一子を妊娠した際に「育児休業とってくれる?」とお願いされました。

父親として育児をすることは当然だと思い、快諾しました。

会社とのやりとり

当時は男性育休が取得しづらいということは知らずに、上司に育休取得について相談すると「以前に育休を取得した男性社員の前例もあるから、大丈夫。」と賛同してもらいました。当時は無知ゆえに迷いなく育休取得を上司に申し出ることができましたが、育休取得が取得しづらい実態を把握していたら少し思い悩んだかも知れません。

第二子、第三子については、第一子で育休を取得していることから当然取得するという雰囲気があったので、会社からの理解はすぐに得られました。

育休中の生活

家事や育児について

家事については夫婦で半分ずつ担っていました。育児については担当制で、我が家の3人姉妹のうち、私が長女、次女の担当で、妻が三女の担当です。妻は出産により体調が戻っておらず、長女と次女の外遊びに付き合うことが出来ないため、私が上の二人の担当になりました。

三女は2020年の4月、コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されている中で生まれました。そのため、特殊事情が2つありました。1つ目は、出産の立会はおろか出産後の面会すらできなかったことです。2つ目は、長女と次女は保育園に預けることが出来ず、私1人で1週間面倒を見ることになったことです。子供たちは家にいると退屈してしまい、直ぐに外に行きたがります。公園にもいけないため、アパートの駐車場で遊ばせることしかできません。子供たちは狭い駐車場の外にでたがりますが、それはできません。このように、保育園に子供達を預けることができなかったことは大変でしたし、緊急事態宣言について十分に理解できない子供達を狭い駐車場で遊ばるのは本当に心苦しい体験でした。

家事や育児以外

育児休業の初期はなかなか時間確保が難しかったのですが、生まれてから4ヶ月目頃から子供が夜に寝てくれるようになったことから、育児と仕事の両方に役に立つ資格取得を目指しユーキャンでアンガーマネジメントの勉強をしました。

育休中の大変だったエピソード〜コロナ禍における出産と育児〜

妻が入院している間、父親一人で全ての家事と育児をこなすのが大変でした。前述のとおり、コロナウイルスの影響で、長女と次女を保育園に預けることができなかったため一日中二人の相手をする必要がありました。県外に住む祖母にサポートをお願いしようと思ったのですが、緊急事態宣言発令中ということも、県を跨ぐ移動は避けた方がいいと判断して諦めました。

妻が退院するまでのワンオペ育児中の一日のルーティンは「朝食→子供の遊び相手→昼食→子供の遊び相手→夕食→お風呂→寝かしつけ→家事」と2人の娘が起きている間は食事の時間以外は遊び相手で、家事は子供が寝た後に片付けていました。この時期は寝る時間を削りながら家事や育児をなんとかこなしていました。

ただ、ワンオペ育児に四苦八苦していたとはいえ、嬉しかったことが1つあります。それは、「ママがいい」と子供が言わなかったことです。

ワンオペ育児をするに当たって、子供が不機嫌になった時に「ママの作ったご飯が食べたい」、「ママと一緒じゃないとお風呂に入らない」、「ママと一緒じゃないと寝ない」と言われることを覚悟していました。しかし、子供たちは一言も「ママがいい」とは言いませんでした。これは長女、次女の出生時にも育児休業を取得し育児にしっかりと携わっていたため子供たちとの信頼関係ができていたからだと自負しています。

育休を振り返ってみて

育休は家族みんなの不安がなくなると思いました。

妻にとっては産後の体力を戻す期間が作れますし、加えて、産後うつのリスクも減らすことができます。子供にとっても、育休を通じて家事や育児に携わることでママだけでなくパパも精神的に頼れる存在になるので、どちらかが一時的に欠けても不安にならずに済みました。

次に子供が産まれたら育休を取得したいか

家計的に厳しいため4人目の子供を育てる予定はないのですが、もし出来たら間違いなく取得します。

これから育休を取得する人へのメッセージ

家族を守る手段としての育休取得

家族がいることは当たり前ではありません。前述のとおり、私は母を亡くしたことでそのことに気づきました。あなたの奥さんと子供、つまり、家族が同じ屋根の下で共に過ごせることは当たり前のことではないのです。

女性の産後うつは深刻な問題です。10人に1人が産後うつになるそうです。2年間で92人が亡くなっているという事実があります。

そのため、大切な家族を守るためにも男性が育児することは大切ですし、そのための手段としての育休取得をオススメします。

制度がなくても、前例がなくても育休はとれる

「会社に“制度がない”から育児休業はとれない。」と思っている人がいますが、実際は“前例がない”から制度がないと思い込んでいるのだと思います。実際は会社に制度がなくても育児休業はとれます。育児休業は法律で認められた労働者の権利です。

もし、会社に育休制度があっても、前例がないから取得を躊躇っている人もいると思います。けど、会社に前例がなければ、あなたが前例になることをオススメします。あなたが前例になれば、あなたに続く男性が出てくるはずです。

男性育休を卒業する人へのメッセージ

育児は育児休業後も続きます。仕事に復帰してからも残業をせずに帰宅し、家事や育児を担うことが大切だと思っています。

しかし、現実は異なることもあります。残業せずに帰りたくても、日本には仕事をこなすために残業をせざるを得ない職場の雰囲気が根強くあります。もちろん、仕事を切り上げて定時上がりや時短勤務を選択することもできますが、そうなれば評価や昇進に響くことになります。男性育休を経て自分としては家庭の優先度を上げたつもりでも、いざ職場に復帰すると職場の雰囲気に流されて仕事の優先度が半強制的に上がってしまうこともあります。男性の育児参加を促すためには、こうした職場の雰囲気ともいうべき労働文化の改善が必要ではないでしょうか。

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コメント

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