【男性育休体験記】「自分達のHygge(ヒュッゲ)を体現するために」おすぎパパさん(8.5ヶ月間取得)

男性の育休体験記

プロフィール

・名前:おすぎパパ
・具体的な育休取得期間:パパ:2018年7月~2019年3月末、ママ:2018年6月~2019年4月末
・居住地:東京都
・職業:会社員(301人以上1000人以下)
・育休取得時の家族構成:パパ31歳、ママ32歳、長男0歳
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育休を取得した理由

育休を取得した理由は5つあります。

➀妻の「里帰り出産しない宣言」

ある日、妻はこう言いました。

「私、里帰りしないから」

この「里帰り出産しない宣言」に目が覚めました。

恥ずかしながらこの時初めて子育てを自分事として考え始めたかもしれません。

「女性は妊娠中の10カ月をかけて徐々にママになり、男性はある日突然パパになる」などと言葉では聞いていましたが、まさにその通りでその瞬間まで全くパパとしての自覚がありませんでした。

妻は医療系の特殊な資格を保有しているので、子育てを理由に仕事を諦めてほしくありませんでした。また、同級生夫婦で常に対等で、お互いの足りないところを補い合う戦友のような関係でした。そのため、子供ができてパパとママになれば家事・育児は均等にやるというイメージが自然とありました。結婚式も新婚旅行もファミリープランも2人で考える。不妊治療も2人で取り組む。でも出産は妻にしかできない、となると、交通事故全治1カ月とも言われるほど大変な産後において母乳を飲ませる以外の家事・育児はパパが主導でやろうと覚悟しました。

➁育休とお盆休みのタイミングが重なったこと

妻は7月下旬が出産予定日で、産後1週間入院して8月上旬に自宅に戻る予定だったのでお盆と重なり有休消化で休みやすい時期でした。そのため、お盆の前後に1か月間の育休を取得しようと考えました。

➂子供と過ごす時間の違い

『我が子と生涯で一緒に過ごす時間⇨母親:7年6か月、父親:3年4ヶ月』という内容をテレビ番組で見ました。

この事実に対して「父親が我が子と過ごす時間はとても短かく、父親は母親の半分以下なのか」と言うのが率直な感想でした。

確かに、保育園入園後の平日は朝と夜しか会えないし、小学生以降は親より友達と遊ぶことが多くなり、気づいたら反抗期でそのまま高校生…あっという間に子供は大人になってしまうのだと思うと、一緒にいられる時期をもっと大切にしようと思いました。

➃「hygge(ヒュッゲ)」という言葉へのあこがれ

デンマーク語で『居心地が良い/家族や友人で集まり、ゆったりとした楽しい時間』を表す【hygge(ヒュッゲ)】という言葉があります。これは『人とのふれあいやリラックスした時間で満たされることを大切にした考え方』で、仕事中心の生活していた我々夫婦にとっては憧れの考え方であり、人生の目標を与えられたような気がしました。

当時から、日本人(特に男性)は職場にいる時間が長く『家族より仕事を優先しすぎなのではないか』と思う時がありヒュッゲという言葉とは対照的だなと感じていました。

『(我々にとっての)ヒュッゲ』=『パパもママも今までより早く帰宅し子供とめいっぱい遊び、ゆったりとした時間』を過ごすためには、それまでの生活から明確な変化を起こす必要がありました。

また、2017年時点での日本でのパパ育休取得は5%とかなりの少数派でしたし、社内でも聞いたことがありませんでした(人事の方への報告の際に知りましたが、私より1ヶ月早く育休を取った方がいらっしゃいます)ので、職場に明確な変化を起こすためには自分1人だけでなく周りへの発信も必要と考え育休を取得しました。

➄起業への想い

私が将来起業して解決したい課題の中に『女性人財の活用』と『少子化対策』が含まれております(詳細はこちらの記事へ)。多くの子育てママが経験する「子育てのリアル」や「キャリアを中断されるリスク」について、パパが育休を取ることで実体験を通じて得られる学びがあると考えました。

以上、妻の「里帰り出産しない宣言」を発端に子育てと人生を考えた末、『たった一度きりの子育て』をかけがえのない最高のものにすべく『育休を取らない理由がない』という考えに至りました。

育休取得プロセス

家族とのやりとり

妻の里帰り出産しない宣言を受けて、産後のママをサポートするためにも「産後の1か月間、育休を取りたい」と妻に報告しました。

妻としては

①これまでも二人三脚で色々なライフイベントに取り組んできたのだから、子育てだって同じように取り組むべき。

②里帰りなし&第一子出産で妻の体調も万全ではないと想定されるので、子供のためにも、妻のためにも、大人がもう一人育児に携わるべき。

③(私も)「子供が欲しい!」と強く願っていたので、念願の育児に専念できる育休をとらない理由はない(もちろん妻も子供を授かることを望んでいたし、実際には家事もあるので育休を取っても子育てだけではないですが…)。

むしろ「たった一ヶ月の育休か…普通だなーw」と思ったそうです。

会社とのやりとり

①安定期

上司に妻の妊娠を報告しました(当時育休のことは考えておらず、聞かれることもなく)。

②出産予定日の1ヶ月以上前(まずは人事部へ)

育休を取りたい。と人事部に相談(その際は1ヶ月を想定しています。と相談)⇨快諾。

ここで嫌な顔一つせず快諾してくれたことで気持ちの面で大きく後押ししていただきました。

③出産予定日の1ヶ月以上前(人事部の快諾を得てから上司へ)

上司に育休取得について相談。

上司に一番に相談しなかったことをチクリと言われました…。

ただ、きっと上司に最初に言っていたらもしかしたら否定的なことを言われて自信がつかず取っていなかったかもしれません。

最初に誰に言うかは重要です。応援してくれそうな上司や先輩に言いましょう!!

育休中の生活

家事や育児について

【基本情報】

ほぼ母乳で子育てをしました(産後1ヶ月&ママの体調不良時のみミルク活用)。

両実家は時々孫の顔を見に来る程度でした。

【家事は効率性重視】

出産前にロボット掃除機・ドラム式洗濯機を購入し、食材宅配もフル活用しました。

洗濯・掃除・料理は主にパパが担当し、離乳食はママが担当しました。

【育児は分担】

お風呂は毎日3人一緒に。なるべくママがゆっくり湯船で休めるよう工夫しました。

(⇨詳細はこちらの記事へ

耳掃除・おへそ掃除・沐浴・爪切りはパパが担当しました。

【保活】

候補の16園すべて、パパママ息子で見学しました。

希望順位決めも区役所への申込みもパパママ息子一緒に。

⇨無事に第一希望の園に入ることが出来ました(4月時点ではまさかの定員割れでしたw)

【外出】

買い物や散歩が中心でした。基本的に抱っこはパパの担当で、「ママがいい」とグズる時にママと交代する流れでした。

家事や育児以外(自己研鑽や趣味、家族旅行、住宅購入等)

ママの了承を得て、(将来の企業準備として)起業セミナーに数回参加し、プログラミング学校にも通いました。

育休中の大変だったエピソード

【出産直後のママのケア(大変だったのはもちろんママ)】

頻回な授乳や初めての子育てで神経をすり減らし心身ともにぐったりのママ…。

出産翌日から毎日通い、おむつ替えや授乳(ミルク)、抱っこであやすなど、パパに出来る育児をスタート!(産後数日は有給消化の形でしたが)パパ育休を取っていたからこそ、育児のスタートダッシュをきることができました。

【ママの突発的な体調不良】

育休後半、ママが高熱→肺炎に…1週間ほど、リビングで息子と2人で生活しました。

母乳をスキップするタイミングは夜間も含め授乳(ミルク)も担当。

ママの看護をしながらのワンオペ育児の過酷さを実感しました。

【息子の入院】

生後半年、息子が初めて発熱し、近くの小児科から総合病院に紹介され、そのまま入院、『川崎病』と診断され10日間ほどで退院しました。

母乳で子育てをしていたためママが付き添い、入院翌日からパパも毎日面会へ。ママが入浴のために帰宅する間に息子のお世話を担当しました。

「川崎病の子供は超不機嫌になる」と看護師さんから言われた通り、過去最高のグズグズ…。「グズったら母乳をあげる」が使えないパパは、抱っこでスクワット、変顔、歌うなど、あの手この手であやしました。「こっちは大丈夫だからゆっくりしてきて」とママに言えたのも、それまでのパパ育休で培ってきた経験と自信があったからこそだと思います。

育休からの復職   

復職前の会社とのやりとり

当初は産後の1ヶ月の予定でしたが、寝返り…お座り…ハイハイも見たい…と、息子の成長を見逃したくないと思い、3ヶ月に延長を希望しました。(労務人事部の担当者との社内チャットでのやり取り。その後自部署上司にも社内チャットでの報告)

その後、労務人事部から「どうしますか?再度延長しますか?」という連絡が来た際に、保活も一緒にしたい…ママに独り占めされたくない…という思いが強くなり、そこから3月末まで再延長し、結果8.5か月育休を取得しました。(労務人事部の担当者との社内チャットでのやり取り。その後自部署上司にも社内チャットでの報告。「お前が考えた上での判断なので、了解です。」と返信をいただきました。)

復職後の仕事

4月から復職し、育休前と同じ部署・同じ業務に戻りました。

(育休直前に組織変更があり面識の少なかった)部長からは「ご迷惑?迷惑なんて全然かかってないよ。」と言っていただきました。別の部長からは「おかえりー、これでもう子育ては終わったなー」と冗談で言われました。「戻ってきたんだから気合入れて働けよ」と発破をかけてくれたのだとは思いますが、その時は苦笑いしかできなかったのを覚えています。その方は平日は夜遅くまで仕事をしておりますが、土日にはキャンプに行ったり遊んだりと子育てにも全力投球しているとても良いパパでリスペクトもしています。

『理想のパパ』には正解はなく、いろいろな形があっていいのだと気づかされます。

復職前の研修等は特になく、復職前に一度会社に挨拶に行ったのみです。

システム変更や組織変更などがあったことから、4月入社の中途採用者と一緒に何回か新人研修を受けましたが、業務過多になるほどでもなく差別されていると感じることもありませんでした。

復職後の12月からは新規事業部の立ち上げも経験しました。

保育園のお迎えで定時と同時に帰ったり、保育園の送りがあって朝早く行けなかったりと労働時間は減っていたので、その中でなかなか成果も出せず辛かったのはありますが、減った労働時間に対しての指摘はなく、あくまで成果に対しての評価でしたので、パタハラといった不当な扱いを受けたことはなかったです。

復職後の家事や育児

◆生活リズム

復職1年目(卒乳前):

保育園入園後に夜間授乳がほぼなくなり、息子が朝まで寝てくれるように。

ママの出勤時間が早いため、息子の朝ご飯や身支度、保育園に送るのはパパが担当です。

時短勤務のママがお迎えを担当し、ママが作った夕飯を息子に食べさせるところから夜のパパ育児のターン開始でした。

復職1年目(卒乳後):

ママがフルタイム+残業に戻り、保育園のお迎えも5割くらい担当、家事も育児も自然と「やれる人がやる」スタイルに進化しました。

復職2年目(現在):パパの転職、不妊治療中はママが通院していたこと、そして今は第二子妊娠中でママが悪阻で苦しんでいることから、パパのワンオペ率は増加…しかし、何の苦もありません!

ワンオペでキツイ時があるのは事実ですが、出産同様、悪阻は代わってあげられないので…私は私にできることをやるだけです。

◆前職では、子育て世帯向けに家事代行や延長保育料金が出る福利厚生があったので料理代行サービスを週に1回活用していました。

◆復職したら一緒にいられる時間は息子と過ごすことに集中すると決めていても、持ち帰る仕事や自己研鑽など、育児とのバランスに悩むことも確かにあります。

育休を振り返ってみて   

◆『初めて』『辛い』『嬉しい』『楽しい』をリアルタイムにパパとママが同じ目線で共有できるとても貴重で幸せな時間でした。

◆「2人で育休取って何してるんですか?」と言われることもありましたが、2人でも相当大変!ママに任せっきりにしていたらここまで息子に興味を持てていないと思いますし、転職もしていないと思います。まさに、パパ育休は人生において転機になったと思います。(今はパパママの『働き方×子育て』環境を良くすべく、保育園付きのシェアオフィスを運営しています。)

次に子供が産まれたら育休を取得したいか   

必ず取りたい!!

これから育休を取得する人へのメッセージ   

◆想像していたより大変です

育児休業は「休」という文字はついていますが休める時間はそんなにないです。

時間の有効活用のためにも家事・育児の他に何をしたいか先に決めておきましょう。

とはいっても、やりたいと思っていたことの半分もできないかもしれません。あくまで家事・育児のための休暇なのでそこは忘れずに!!(どっちやねん!)

◆その何倍も幸せです

毎日日記かブログかTwitterを書き、その日の出来事を残していった方がいいと思います!

後でその文章と写真は一生の宝になると思います。

◆是非強みを活かしましょう!

家事はほとんどできないから取っても役に立てるかな?と今の時点で思っている人もいると思います。そんな方はまず1つでもママより得意と思っていることを探してそこを伸ばしていきましょう。

 料理なのか?洗濯なのか?掃除なのか?

 寝かしつけなのか?抱っこなのか?おむつ替えなのか?変顔なのか?

 エクセルで作業をまとめることなのか?ネットで離乳食や保育園を調べることなのか?

などなど。もしも何も強みがないと思ったら、ウンチの時のオムツ交換を率先してやったらいいと思います!!子供が暴れるときの足の力って結構強いんです。パパの方が力がある(ことが多い)ので。

何か一つできたらあとは近い領域からの水平展開です!

◆とにかく育休期間を最高の思い出にしましょう!!

この期間の頑張りによって今後のママからの信頼・子供からの好き度が変わって来ると思います。最高に楽しんで最高の思い出の一つにしてください!!

育休取得を悩み中の方へ

もしも、会社初のパパ育休だったり、一回上司に断れたり、取るのを迷っている方がいたら2021年にアメリカで初の女性副大統領となったカマラ・ハリスの演説をもじって以下の宣言を送ります。

【パパ育休宣言】

あなたは会社でパパ育休を取る最初の男性かもしれませんが、最後ではありません。

なぜなら、あなたの働きと頑張りを見てきた同僚達がパパ育休を信じ、そして分かったはずです。この会社は可能性に満ちた会社だと。そしてすべてのパパママに明確なメッセージを送りました。

『大志を抱き子育てへの夢を見よう!』

『信念を持って子育てを先導しよう!』

前例がないからと他人があなたを制約しようとしてきても、自分自身の『働き方×子育て』を見つけよう。私たちはあなたの育休の歩みの一歩一歩に拍手を送ります。頑張りましょう!

以上、「【男性育休体験記】「自分達のHygge(ヒュッゲ)を体現するために」おすぎパパさん(8.5ヶ月間取得)」でした。

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