男性育休は人それぞれです。家庭環境や職場環境等に応じて育休のあり方は異なってきます。
そんな多様な男性育休について、男性育休取得者の体験記を通じてお伝えしてしていきます。
今回はパートナーの“不安やわ”の声を跳ね返し、家族との特別な時間を過ごした「えいきちさん」の体験記です。
イラスト提供:ゆーぱぱ
プロフィール
・名前:えいきち
・具体的な育休取得期間:2020年10月~11月中旬まで1ヶ月半
・居住地:関西
・職業:会社員(1001人以上)
・育休取得時の家族構成:パパ30代、ママ30代、長女2才、長男0才
・その他:ツイッター、ブログ
育休を取得した理由
育休を取得した理由は次の3つです。
✓産後の嫁の負担軽減
出産後には”骨盤のゆるみによる腰痛”や”子宮収縮による痛み“が生じ、全治4~6週間と言われています。
その嫁の負担を軽減するため。
✓娘が安心できるようにサポート
第一子である娘は超がつくほど寂しがり屋気質。
保育園でも2年経ってもほぼ毎朝別れ際に泣きます。
第二子出生に伴い、長女は赤ちゃん返りすると感じていたので、サポートをするため。
✓名も無き家事の内容の把握
いつも細かくやってもらっている家事の時間と内容を把握して、今後の共働き戦略に繋げようという狙い。
育休取得プロセス
家族とのやりとり
「育休を取りたいことを伝えると、嫁に「不安やわ」とポツリと言われた。」
僕は、1人目の出生時には育休を取得していませんでした。
周りで育休を取得したパパが誰もおらず、里帰り出産で義母に助けてもらうことが出来たため、当たり前のように取得しませんでした。
でも、娘を必死で育てていくにつれて、次は敢えて里帰りをせずに、育休を取得したくなったんですよね。
そして、嫁に想いを伝えました。
ここで、まさかの「不安やわ」とポツリ。内心、「えーーーー!うそやん!」ってなりました。
「家事と育児がどれだけ大変かを、僕が理解しているのか。少なくとも私がイライラしない程度に、僕が真剣に家事・育児に取り組んでくれるのか。」と考えていたとのこと。
家事のスキルは圧倒的に嫁が上だからこそ、出てきた不安でした。
なので、産後をサポートする想いを改めて真剣に伝えて、なんとか納得してもらい、取得することになりました。
会社とのやりとり
「数百人の事業所で初の男性育休だった。チームメンバーに育休取得を伝える時は「嫌われても仕方ない」と感じていた。」
大げさかもしれませんが、前職で「会社を辞めます」と伝えた時と同じレベルで緊張しました。
でも、発表した後は「応援しています」という言葉で、温かいコメントをくれるメンバーが多かった。
上司も「PCを会社に置いて、育休に集中してもらえればいい」と後押しをしてくれて、皆に助けられた育休でした。
おかげで、もっと部署の皆の役に立ちたい!次に育休取得を考えるパパを応援したい!という想いが強くなりましたね。
育休中の生活
家事や育児について
- 毎日の献立決定と料理、掃除、洗濯など家事全般
- 娘の保育園の送り迎え
- 息子の沐浴と娘のお風呂入れ
- 週末の息子と2人きりで寝ること
このように、基本的に何でもやりました。
寝かしつけについては、当初、0歳の息子と2歳の娘を一緒に寝かせていました。
でも、息子が夜中起きたタイミングで娘も毎回起きてしまい、僕も嫁も皆が寝られなくなってしまいました。
そこで、平日は「嫁と息子」「僕と娘」の二手に分かれて寝ることに。
土日には嫁の体力を少しでも回復できるよう、「僕と息子」「嫁と娘」にスイッチしました。
赤ちゃんと2人きりで寝るのは、赤ちゃんの命がかかっていることを考えると、めちゃくちゃ緊張しましたね。
家事や育児以外
読書が趣味なので、育児本と教育本を20冊以上読破しました。
育休中で関わる時間が増えた娘に対し、本で得た内容をすぐに実践し、娘と遊びながらも生活習慣を教えていました。
育休中の大変だったエピソード
「娘の赤ちゃん返りで疲労困憊」
育休3日目に、娘が猛烈に赤ちゃん返りを開始。
娘「ご飯食べるのイヤ~!。お風呂入るのイヤ~!
パンツ替えるのイヤ~!1人で座ってご飯食べるのイヤ~!」
想像以上に今まで出来たことが出来なくなりました。正直参りましたね。
でも、夫婦で相談する時間があったので、「これが今の精一杯の娘なんだな。親の関心を得たくて必死に行動しているんだな」ってすぐに気持ちを切り替えることができました。
それからも赤ちゃん返りは続き。
例えば、お母さんが息子に授乳しようと抱っこした瞬間に、娘「おかあさん、だっこして~!!だっこ!!」ってなるのは、1ヶ月半ほぼ毎回続きましたね。
ほんまに育休で助かりました!!!
育休からの復職
復職前の会社とのやりとり
特にありませんでした。
復職後の仕事
育休前に任されていた仕事から、業務内容が大きく変わりました。
なので、余計に思うように仕事が進まず、現在も試行錯誤の連続です。
復職後の家事や育児(復職前に思っていた通りに家事や育児に取り組めているか等)
リモートワークができない仕事でもあり、家族の時間を思うように増やせません。
ただ、育休後に、嫁がしてくれている家事や育児に以前より気づけるようになり、「ありがとう」を感じやすくなりました。
育休を振り返ってみて
「娘の日常の輝きに沢山気づけた」
子どもが小さいと、日常のちょっとしたことが大きな成長なので、親が忙しいとあっという間に成長していて気付かない。
でも育休で1つ1つ気づくことが出来ました。
例えば、こんなことが出来るように。
- 自分で靴のカカトをはけるようになった
- 服の頭を通せるようになった
- はさみ遊びで10~20分くらい集中して遊ぶことができた
- トイレトレーニングの成功確率がグッっと上がった
- お風呂の浴槽のフチを自分で持って、一人で浴槽に入れるようになった
- お手伝い(洗濯機の洗剤や柔軟剤入れ、休日の朝ご飯準備)に意欲を出すようになった
たった1ヶ月半でしたが、目の前で娘の成長を感じるのは、特別な喜びでした。
「今後、教育・しつけは保育園のプロに任せるところは任せつつ、
家でも娘が伸びるような環境を整えて、サポートしていきたい!」
そんな、教育パパに着実に一歩近づきましたw
次に子供が産まれたら育休を取得したいか
半年程度取得したいです。
これから育休を取得する人へのメッセージ
育休は大変。でも、楽しくて、赤ちゃんは最高に可愛いですよ!
期間は3ヶ月間以上がおすすめです。
赤ちゃんのイベント“お宮参り”、“写真撮影”、“お食い初め”を平日にゆったりできて、赤ちゃんの生活リズムも整い始めるので。
その他(言い残したことがあれば是非)
僕は、子育てを楽しむパパが増えると、世の中が優しくなると信じています。
周りに例え育休の実績が無くても、是非取ってほしい。
男性の育休取得で、世の中を小さく一歩変えていきましょう!
以上【男性の育休体験記】「“不安やわ”の声を跳ね返し、家族との特別な時間を過ごした、えいきちさん(1.5月間取得)」でした。
コメント
[…] […]