男性育休の取得を迷っている方は是非、「産後クライシス」のリスクについて知ってください。
「産後クライシス」とは、「出産後2〜3年ほどの間に妻の夫への愛情が冷め、夫婦仲が悪化する現象」を指し、最悪の場合は離婚につながります。
育休を取得せずに、「男の本分は外で仕事をすること」と家事や育児を疎かにしていると、最悪の事態に陥りかねません。
本記事においては、「産後クライシス」が生じる「理由(愛情曲線の低下)」や「実体験」を紹介します。
育休取得に迷っている方は必読です!
産後クライシスの理由〜愛情曲線の低下〜
産後クライシスの原因として母親の夫への愛情曲線の低下が挙げられます。
「夫婦の愛情曲線の変遷(渥美由喜氏 東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス特別研究員)」によれば、出産に伴い母親の夫に対する愛情は大きく低下します(共同参画平成22年7月号)。
低下した愛情曲線はその後2つの経路を通ります。
一つは、産後に家事や育児に積極的に携わった場合で、母親の父親に対する愛情は徐々に回復する傾向にあります。
一方で、家事や育児に非協力的な場合は愛情曲線が回復することなく、むしろゼロに近づいていきます。
こうした愛情曲線の下降によって産後2〜3年目に夫婦関係が悪化する産後クライシスが訪れることがあります。
この時期に、「男の本分は外で働いて家族を食わせること」という前近代的な性別的役割に囚われて育児への参加が不十分であった場合、最悪の場合は離婚という結果になることもあります。
産後クライシスこそ乗り越えられたとしても、子どもが大きくなっても愛情曲線が回復しない場合、そこに待ち構えているのは、夫婦水入らずの時間ではなく家庭内別居や熟年離婚などの暗い未来かもしれません。
育休を取得することで夫婦で共に育児に携わることができることはもちろんですが、育休中に培った子育てのノウハウを活かして、育休取得後もパートナーと2人3脚で補い合いながら子育てを両立することが可能となります。
またその過程を通じて夫婦の信頼関係も高まっていきます。
人生100年時代において長い人生を最愛のパートナーと共に笑顔で過ごすためにも、家族にとってのたった1人の父親として育児参加することをおすすめします。
うまんちゅパパさんの育休体験記から見る「産後クライシス」
産後クライシスを実際に経験した「うまんちゅパパ」さんの体験記を紹介します。
「うまんちゅパパさん」は元々「家族のために仕事を頑張る」パパでした。
しかし、最初の結婚において、そんな家族への想いは伝わらず夫婦関係は冷め離婚してしまいました(産後クライシス)。
再婚して子供ができた際に、NPO法人ファーザーリング・ジャパンが実施する両親学級に参加して何故離婚してしまったのかが分かったそうです。
産後クライシスを体験されたうまんちゅパパさんの育休体験記(「産後クライシスを乗り越えて」)を以下に抜粋します。
以前の自分は、いわゆる『ポンコツ夫』でした。 仕事は多忙で平日は深夜帰り、土日も度々仕事に行っていました。 入社以来、忙しい部署で終電帰りが当たり前、近くのカプセルホテルや漫画喫茶に泊まって次の日に仕事へ行くよう生活を6、7年していました。 当時は主任になる前後の時期で、プロジェクトをひとつ任され、仕事にやりがいと責任を感じていました。 結果、仕事は評価されて同期の中でも早い昇格をしていきました。 そんな中、前の妻と出会い、結婚をし、子供が1人産まれ、2人産まれました。 その間も仕事の多忙は変わらず、そんな生活をしていました。 その時の自分は『家族のために仕事を頑張っている』でした。 2人目が産まれて半年くらいたったあたりから、夫婦間での会話がなくなっていきました。 正確に言うと会話をしても妻からの返事がなくなっていきました。 当時は、それにイライラし、喧嘩をし、何度言っても直らないことにまたイライラするという状態。 そんな状態が2年くらいたったときに別れることになりました。 子供2人は前妻が引き取ることに。 『家族のために仕事を頑張っている』つもりでしたが、結果的に家族を幸せにはできていませんでした。 離婚した当時はなぜそうなってしまったのか理解できていませんでした その後、今の妻と出会い、結婚、子を授かり、両親学級に行きました。 セミナーを聞きながらやっと前妻からの会話がなくなった理由が分かりました。そうです、まさに産後クライシスでした。 そして、次は同じ思いをさせないと心に誓い、セミナーが終わったときには決意しました。 『絶対に育児休業を取る』と。 |
産後クライシスの存在を知らずに、家族のためと仕事に励み、産後のパートナーのサポートを十分しないと、いつの間にか夫婦の関係が冷え込み、最悪の場合は離婚につながるリスクがあります。
仕事も大切ですが、家族も大切です。
職場にとってのあなたの代わりはいるかもしれませんが、生まれてくる子の父親はあなたしかいないはずです。
是非、育休取得を悩まれている方は、「産後クライシス」のリスクを知っておきましょう。
うまんちゅパパさんは過去の経験を踏まえて、今ではすっかり育児に積極的なパパとして、育休を活用しながら子供達やパートナーとの時間を大切にされています。
以上、「【データで見る男性育休】育休を取得しないことのリスク!?「産後クライシス」とは?」でした。
うまんちゅパパさんの体験記の全文はこちら。
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